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Garmin inReach Mini 2 をダイビングで使用する場合の解説。

まなてぃダイブのスタッフは、GARMINインリーチミニ2を常時携帯しています。この機器は遭難時にイリジウム衛星ネットワークを使用して、自身の位置情報を任意の相手に知らせることができる通信端末です。万一の際には、ガーミン応答センターに SOS メッセージを送信して救助要請をすることも可能です。この機能を日本で使用すると、警察と海上保安庁に連絡をしてもらうことができます。

何故ここでインリーチの解説なのかというと、この機器はドリフトダイビングには必須だと考えているからです。優秀なガイドさんの中には携帯電話などを防水ケースに入れて携行している方もいらっしゃると思いますが、それはあくまでも携帯電話。圏外では使えませんし、もちろん海外でも使えません。しかしインリーチならばイリジウム衛星、すなわち空が見えるところであれば世界中どこでも使用できます。

まず、現実問題として携帯電話を使用する場合の問題点を挙げてみましょう。遭難時は荒天が予想されますが、携帯電話は防水でしょうか?防水だったとして、船長と電話が繋がったとして、いったい何を話すのでしょうか?こちらから船が見えている状況であれば自身のいる方向を指し示すことはできますが、目標物が何も見えない場合、口頭で自身の位置を伝えるのは困難です。また携帯電話ではなくスマートフォンを使用する場合、画面が水に濡れた状態では操作が出来なくなります。凪の時なら問題ありませんが、遭難時の海は荒れていることが予想されますので注意が必要です。またいずれの場合も通信エリア内である必要がありますが、海面ギリギリの低位置では電波を拾えない可能性が高くなります。

安全対策として携帯電話やスマートフォンをハウジングケースに入れて潜っているショップさんは、このようなハードな状況を想定していないのかもしれませんね。ゲストさんの安全のために一刻も早くGARMINインリーチを導入することをお薦めします。

GARMINインリーチミニ2導入のススメ

GARMIN インリーチ ミニ2は、イリジウム衛星を使用した通信機器となるためサブスクリプション契約が必要です。年間契約の場合は$143.4、月額契約の場合には$14.9が最低料金です。日本の携帯電話料金よりも割安ですから、是非とも導入を検討されてください。ちなみに本体価格は5万2800円です。

GARMINインリーチミニ2の本体は IPX7 防水なので海面などでの操作は可能ですが、ダイビングで使用する場合には専用のハウジングケースが必要となります。価格は10,890円です。

GARMINインリーチミニ2は、ダイビングコンピューター GARMIN Descentシリーズとペアリングすることができます。ダイビングコンピューターに GARMIN Descentシリーズを使用している場合には、GARMINインリーチ ミニ2をハウジングから出す必要はなく、すべての操作を手元のダイビングコンピューターからおこなうことができます。

GARMINインリーチミニ2を実際に使用してみる

緊急時に自分の位置情報を知らせるには、当然相手のメールアドレスか電話番号(SMS)が必要です。ダイビングで使用する場合は遭難対策として持つわけですから、乗船する船の船長のメールアドレス等が必要になります。普段使用するボートの船長のメールアドレスを予め登録しておくと良いでしょう。

ドリフトダイビングの後、船のピックアップを待っている間にテスト送信を試みてみました。予めペアリングしてあった GARMIN Descent シリーズのダイビングコンピューターの画面を操作して、「Help」と入力し、宛先を選んで送信。すると「inReachが接続されていません。接続されたらときにメッセージは送信されます」とエラーが表示されました。この時ハウジングケースに入れたインリーチミニ2はBCDのポケットの中にありますから、海中に沈んでいる状態。Bluetoothも衛星通信も水中では使用できませんので、エラーになるのは当然の結果でした。この装置を実際に使用する際には海面から上に出しておく必要があります。

まなてぃダイブのスタッフは、GARMINインリーチミニ2とは別にセキュリティフラッグも常時携帯しています。万一の遭難時にはこのフラッグを開いている筈ですから、GARMINインリーチミニ2を使用する際にはフラッグの根元などに取り付けて使用することになりそうです。

また、GARMINインリーチミニ2のバッテリーは約14日間持つとカタログには載っていましたが、実際には二日間で60%以上減っていました。理由は装置が屋内にあると衛星信号を探しまくってバッテリーを消費するからでした。ダイビングコンピューターとペアリングしてある場合もバッテリーを消費するので、普段は電源を切っておくのが現実的な使い方となります。実際に電源を切ったまま半年ほど持ち歩いてみましたが、バッテリー消費はほぼありませんでした。従って、通常は電源を切ったままにしておいて、非常時に水面でケースから取り出して電源を入れるというのが実際の運用になります。一生電源を入れることがないようにしたいと思います。

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