バラクーダフィン・プロフェッショナルとスタンダード。
普段はバラクーダフィンのスタンダードを使用しています。もちろんプロフェッショナルを使用したこともあります。結論から言うと、女性にはプロフェッショナルは硬すぎます。男性の場合には、フィンの使い方、ダイビングスタイルによってどちらを選ぶかを決めていただくのが良いと思います。
わたしが働いていた神子元の海遊社では、ゲスト様のほとんどがバラクーダフィンを履いていました。ガイドの中にはワープフィンを履いている者もいましたので、バラクーダのプロフェッショナルが速く泳げるという訳ではありません。
とても速く泳ぐゲスト様にバラクーダフィンのスタンダードを愛用されている方がいました。その方に「どうしてスタンダードを使っているのか?」とお聞きしてみたところ「速く泳ぐには、フィンを速く動かすから柔らかい方がいい」とのことでした。確かに船のスクリューなんかは、速く進むときには単純に回転数を上げています。フィンに関しても、上下させる回数を増やせば速度は上がるということでしょうか。
パワーとはトルク×回転数
調べてみると「パワー(馬力)」とは「トルク×回転数」のことだそうです。硬いフィンを動かして進むのがトルク重視の泳法だとすれば、少ない力で柔らかいフィンを動かしても回数を増やせば同じパワーを出力できるというのは納得がいきます。そのことに気が付くと、果たして自分にはどちらが合っているのかを試してみたくなりませんか?
ファーストインプレッション
最初に買ったバラクーダフィンはスタンダードでした。当時はスーパーミューからの履き替えだったので「大してスピードが出ない割りに重くて長い」という感想でした。粟国とかで何度か使ってみましたが、その感想はバラクーダフィンに抱いていた「履けば爆速」というものと大きく異なっていたのです。
そんな時に言われたのが「バラクーダはプロフェッショナルじゃないと進まないよ」でした。「そうだったの?」とばかりにプロフェッショナルを買い直してみると、「これぞバラクーダフィン!」という進み方をしたのです。そして「スタンダードなんて履いてられない」とプロフェッショナルに乗り換えました。
久しぶりのスタンダード
久しぶりにスタンダードを使ってみると、やはりスピードは出ない代わりに、どれだけ泳いでもまったく疲れませんでした。回転数を上ればそれなりのスピードは出せますし、潮に逆らって進む場面でもなんとかなります。瞬発力には欠けるので、プロフェッショナルなら行ける場面で、スタンダードでは行けないということは時々ありました。ただ、プロフェッショナルで爆速で進むことはできても、ほとんどの方はある程度で力尽きてしまうので、スタンダードでも追いつけるのです。スタンダードはいくら漕いでも、どれだけ早く漕いでも全然疲れないのです。トップスピードは抑えられてしまうけれど、蹴りきれる分、自由自在という感じです。
女性には硬すぎるのかもしれない
これからバラクーダフィンを買いたいという女性に、「スタンダードとプロフェッショナルのどちらが良いと思う?」と聞かれたときは、上記の感想をそのまま伝えています。そのアドバイスに従わずにプロフェッショナルを購入した方は、大抵あとで「プロフェッショナルは硬すぎたからスタンダードに変えた」と告げられます。やはり女性の脚力にはプロフェッショナルは硬すぎるので、よほどの豪脚でなければスタンダードの方が良いと思います。
ChatGPT の意見
念のため、最近ハマっている ChatGPT にも聞いてみました。
「フィンの選択について質問。
1.硬いフィンを使うと良く進むけれど疲れるのが早いです。
2.柔らかいフィンを使うとあまり進まないけれど、疲れないのでいつまでも泳げます。
どちらを使うべきですか?」
どちらを使うべきかは、泳ぎの目的や個人の体力に合わせて異なります。
例えば、短い距離を爆発的な速さで泳ぐ必要がある場合には、硬いフィンを使用することが適しています。しかし、長い距離を泳ぐ必要がある場合や、潜水時間が長い場合には、柔らかいフィンを使用することがより適しています。
また、個人の体力に応じても選択肢が異なります。体力に自信がある人は硬いフィンを使用しても疲れにくく、効率よく泳ぐことができるかもしれませんが、体力に自信がない人は柔らかいフィンを使用して疲れにくく、長時間泳ぎ続けることができるかもしれません。
総合的に判断すると、フィンは泳ぐ目的や体力に合わせて使い分けるのがベストです。
フィンワークについて
ここではプロフェッショナルとスタンダードのどちらを使うべきかを通して、フィンの硬さについて考察してきましたが、密接に関係している事項として「フィンワーク」が挙げられます。要するに脚の動かし方、即ちフォーム自体が正しくなければどんなフィンを履いたところで前には進まないのです。ドリフトダイビングにおけるフィンワークについては別ページに書き記してあるので探してみてください。そのページ内でウミヘビについての記述がありますが、スタンダードフィンのフィンワークがそれに当たるのではないかと考えています。プロフェッショナルがジャイアントトレバリーの尾びれだとすれば、スタンダードのしなりはウミヘビの泳ぎを具現化していると言えないでしょうか。
サイズについて
これからバラクーダフィンを買う人のために重要なことを書いておきます。バラクーダフィンはフットポケットのサイズが大きいので女性ならSサイズにフィンソックスです。男性の場合はスーパーミューなどのワンサイズ下を選んでください。というよりも必ず試着してから購入して欲しいです。同じ GULL 製品でありながら(作っているところが違うため)、他の製品とサイズが違うので注意が必要です。
プロフェッショナルとスタンダードのどちらを選ぶか
フィンは「しならせて」使うのが正解だと思います。プロフェッショナルを選ぶには、前提としてプロフェッショナルをしならせる脚力が必要です。普通にフィンキックをしたときに、フィンをしならせることができないならそのフィンは硬すぎです。
とはいえ、やはりその人が置かれているシチュエーションに依るかとも思います。とにかく力づくでフィンキックをして前に進みたい人はプロフェッショナル。楽々と前に進みたい人はスタンダード。女性の場合はほぼスタンダードで良い気がします。男性でも脚力よりスタイルに依ると思います。ダッシュするならプロフェッショナル。瞬発力を必要としないならスタンダードの方が楽だと思います。GoPro棒を持ってハンマーを追いかけるにしても、爆速で突っ込んでいくにはプロフェッショナルでしょうが、節度を持って近づきつつ長く並走するならスタンダードだと思います。